日本滞在記 その1 続々々 Japan Trip Story 1—

「日本の色」というと「渋い色」であったり、「淡い中間色」というイメージがつよいようですが、歌舞伎や能の衣装、また友禅染めに見られるようにはっきりした強い色も数多く含まれます。またその色の種類もとても豊富です。

墨絵に見る黒白の美学とか、渋い灰色や茶色を好む「侘び寂び」の美学ということは、日本の伝統的な色彩文化のうちのある一方の観点にすぎない(「虹色どろぼう:染司よしおかの植物染」より)

kimono(左から 歌舞伎衣装 文化デジタルライブラリー 歌舞伎の衣装 女方
池田家伝来の能装束「紅茶浅葱段松皮菱繋風景模様唐織」=林原美術館蔵
加賀友禅伝統産業会館資料 より)

Often subtle colours are mentioned as the characteristic Japanese colours but they are not only colours. You also find some vivid and strong colours in Kabuki or Noh costumes, or kimono patterns. The colours are very rich.

化学染料などなかった時代、色は植物、鉱物といった自然界にあるものから得ていました。日本の伝統色、色名も、草木染めと深く関わっています。
ただ昔ながらの方法で染めたものはなかなか手に入りにくくなっています。原材料の確保、量産性の低さ、といろいろ昨今の流通システムに載せるには不向きな点があります。
植物染料で染められる「あか」のパレットと化学染料のそれとは同じではありません。個人的には植物染料の色目の方が好きです。ブラジルウッドの赤は「綺麗」だと感じるのですが、ポストの赤はどう使えばいいのかまごつきます。
自然染織家の伊豆蔵さんがよく「自然からいただく色」と表現されますが、それが自分の中にすんなりと取り込める理由かもしれません。
化学染料で植物染料に近い色を出すことは可能ですが、色素を足し算する過程で彩度が落ちることがままあります。

Before the chemical dyeing method was introduced, all colours came from natural resources.  We still enjoy these colours dyed with natural materials, but ‘natural dyeing’ method is rather difficult to apply to the manufacturing or marketing system today.
Personally I like natural dyeing colour pallets. They are very rich, deep, and beautiful. They are the great gift from our Nature.

今回の旅で京都に工房のあるカワバタプリントさんにおじゃましました。こちらで工学博士の木村先生との共同開発で生まれた「新万葉染め」についてお話を伺いました。
最近よく「化学」と「アート」のコラボレーションが話題になりますが、「新万葉染め」もそうしたプロジェクトから生まれました。
(「新万葉染め」についてはこちらからどうぞ http://www.kawabataprint.com/dyeing/)

I visited Kawabata Print in Kyoto. They developed the new natural dyeing method, “Shin Manyo-some”. It’s a ‘Art’ and ‘Science’ collaboration  project.It introduces some beneficial developments in natural dyeing method;

  • Less dye material
  • Less time
  • Mixing colours
  • Applying to the repeated products
    and more

カワバタプリントさんのご好意で「マリーゴールド」、「インドアカネ」、「ログウッド」の3種類の染料を少量わけていただきました。
早速「マリーゴールド」と「インドアカネ」で紙糸を染めてみました。

manyo写真は左から
「マリーゴールド 10%」、「インドアカネ10%」、「マリーゴールド5%+インドアカネ5%」、「マリーゴールド7%+インドアカネ3%」、「マリーゴールド2%+インドアカネ8%」
1. marigold 10%  2. indian madder 10%  3. marigold 5% + indian madder 5%  4. marigold 7% + indian madder 3%  5. marigold 2% + indian madder 8%
(all dye powders are produced by Kawabata Print)

アルミで先媒染後それぞれの染液で染めました。媒染に1時間、染めに1時間。通常は染液を取るために原料を煮出す必要がありますが、今回は鍋に沸かした湯にいただいた粉末状の染料をよく溶かし、媒染処理した糸を入れるだけ。2種類の染料をあわせるのも化学染料のときと同じように、それぞれを計量してあわせればよく、とても簡単。数時間の作業で5種類の色を染めることができました。

Alum mordantAdd powders to the water and dissolve, simmering 1 hour
Mixing two powder to get different shades of colour

マリーゴールドの力が強いのか、紙糸との相性が良かったのかわかりませんが、染液に浸けたすぐから色が入り、10%しか染料を使わなかったにも関わらずご覧のような黄色がとれました。(写真の色は実際の色と若干異なります)
昔の黄八丈の黄色はこんな色だったのかな?
茜はもう少し染料を増やした方が良さそうです。ちょっと弱いですね。

The colour from marigold is very strong. The yarn grabbed the colour very quickly and was dyed very well. 10% of dye material is very small quantity in natural dyeing method.You can use this method for printing too.

「もう少し濃い/薄い色を」とか色重ねが以前よりずっと気軽にできるのは嬉しいですね。染めた後の残液は底に多少の澱が残る程度でそのまま排水溝にながしても気になりません。
カワバタプリントさんでは新万葉染めでプリントもしています。
この方法を伺って来ようと思っていたのに迂闊にも忘れてしまいました。残念!!!

今はこの方法で染めた商品は購入できるのですが、染料そのものは販売されていません。早く染料が簡単に手に入り、色数も増えれくれるといいにですが。
川端社長、宜しくお願いします!

At the moment they don’t sell the dye powder, just sell the products dyed with this method. Neither they have opened up the method.
I’m waiting their further development to get easy access to the method and more choice of colours.

 

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